【FX大全外伝 サポルの冒険1】境界線のサポル~レンジ地帯に生まれた子~

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あなたは、自分を支えてくれる線(メンタル)を
どこに探していますか?

本やセミナー
YouTubeやSNS
誰かが「これが正解だ」と
差し出してくれる、その一本の線

私たちはいつも、
自分の外側に答えを求めています。

迷ったとき
落ちてしまったとき
立ち上がれなくなったとき

何かに、誰かに、
支えてもらいたいと願います。

これから始まる物語は、
ひとりの男の子の話です。

名前を、サポルと言います。

彼もまた自分を支えてくれる線を
ずっと外に探し続けたひとりの旅人でした。

二つの国の狭間で

アセンディア連邦と、ベアドニア共和国。
二つの国に挟まれた、誰のものでもない土地。

そこは、レンジ地帯と呼ばれていた
上にも、下にも、行けない場所
迷いと、停滞の、境界

二つの国の狭間で

南(買い)のアセンディア連邦は、
上昇を信じる国だった。

民は皆、空に向かって杯を掲げ、
未来は伸びるのだと叫んでいた。

旗が、風になびく。
歓声が、夕焼けの空に、吸い込まれていく。

北(売り)のベアドニア共和国は、
暴落を崇拝する国だった。

民は皆、灰色のフードを目深に被り、
低い声で笑い合っていた。

熱狂の先には、崩壊がある。
上がりすぎたものは、必ず堕ちる。

そう、囁き合っていた。
二つの国の声は、レンジ地帯にも、
風に乗って届いていた。

母の願い

その境界の土地に、小さな村があった。
岩場と、枯れ草と、古びた境界石。

それだけの、貧しい村だった。
ある夜、ひとりの女が、男の子を産んだ。

産声が、冷たい夜気を、震わせた。
母は、生まれたばかりの子を、胸に抱きしめた。

そして、しばらく、何も言わなかった。
夜が、更けていく。

焚き火が、弾ける音だけが、聞こえていた。
やがて、母は、囁くように、名を呼んだ。

「サポル」

それが、子の名だった。
サポートラインから、取った名前だった。

母は、知っていた。
この子が生きていく世界には、
二つの国の声が、響き続けることを。

北の歓声に、惹かれる日が、来ることを
南の冷笑に、囚われる日が、来ることを

母の願い

だから、母は、願った。
何度落ちても、支えられる子に
崩れても、立ち直れる子に
自分の足で、もう一度、立ち上がれる子に

母は、子の額に、そっと、口づけをした。
「あなたを支える線が、いつか、見つかりますように」
焚き火が、ひとつ、弾けた。

名もなき土地

サポルは、レンジ地帯で育った。
北の歓声も、南の冷笑も、両方の声を、聞きながら育った。

幼いサポルには、どちらが正しいのか、わからなかった。

アセンディアの民が、空に向かって叫ぶ。
「未来(チャート)は右肩に伸びる」

ベアドニアの民が、霧の中で笑う。
「やがて、堕ちる」

 

名もなき土地

どちらも、正しく聞こえた。
どちらも、力強く響いた。

そして、どちらにも、惹かれた。
母は、何も言わなかった。

ただ、サポルが眠るとき、
その額を、撫でるだけだった。

「あなたの名は、サポル」
「何度落ちても、支えられる子」

何度も、何度も、母は、その言葉を、繰り返した。

幼いサポルには、まだ、
その意味が、わからなかった。

ただ、母の手が、温かいことだけは、覚えていた。

聖杯を外に探す者

人は、生まれた瞬間から、
何かに支えられて生きている。

母の腕。 父の声。 故郷の土。
最初に交わした、誰かの優しい言葉。

それは、目には見えない
一本の線のようなものだった。

落ちそうになったとき
その線が、私たちを、下から支えてくれていた

けれど、人は成長するにつれて、
その線を、忘れていく。

そして、外側に、新しい線(聖杯)を探し始める。

  • 誰かの教え
  • 誰かの正解
  • 誰かの差し出す、地図や羅針盤

それさえあれば、もう迷わずに済むのだと、信じてしまう。
サポルもまた、やがて、そうなっていく。

二つの国の声に、心を引き裂かれながら。
正解を求めて、旅に出ることになる。

その旅の果てに、何を見ることになるのか。
母の願った、本当の意味の支えとは、何だったのか。

物語は、ここから、始まる。

エピローグ

レンジ地帯の夜は、静かだった。
母の腕の中で、サポルは、眠っていた。
遠くで、鐘が、ひとつだけ、鳴った。

その音は、北の歓声にも、
南の冷笑にも、届かなかった。

ただ、境界の村の、小さな焚き火だけが、
その鐘の音を、聞いていた。

エピローグ

それを、これから、語っていく。

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